トリシティ 後部座席への荷掛け用フックポイント追加 作業レポート Ver.3

2014年式(2015年度型) MW125 トリシティ
グラブレール取り付け部ボルト、
およびナンバープレート取り付け部を利用した、
後部座席への荷掛け用フックポイント追加
作業レポート

Ver.3
今後予測されるナンバープレートに関する新条例施行への対応版
2017年9月15日作成
2017年9月25日最終更新

Ver.2では、Ver.1よりも大幅に手順を簡略化し、
DIYでもなるべく簡単かつ安全に作業を実施できるようにしました

Ver.2.1では、Ver.2に対し、2016年4月1日に告示された、
道路運送車両法の改正に対応する加筆を実施
ナンバープレートの取り付け方に関する注意点をまとめました

Ver.3では、将来的に上記法改正に準じる形で、
原付のナンバープレートに纏わる各自治体の条例が改正される可能性を見越し、
プレート周りの改造手段を全面的に見直しました
また、トリシティ155のカスタムへも配慮しました



お願いと免責事項

・必要な機能や強度が得られるよう熟慮して手順を構成したつもりですが、
実行に際しては皆さま各自の判断と責任のもとにお願いいたします
このページを参考にして実施された作業の結果、
いかなる損害が生じた場合でもTriKaiは責任を負いかねます

・締め不足・締め過ぎを防ぐため、
トルクレンチは必ず使用してください
「たかがこの部位に」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、
そのようなノリで安易に作業した結果、
手痛い授業料を支払う破目になった知人が、
TriKaiにはけっこうな数います・・・

・SUS材(ステンレス)製のボルト類は使用しないでください
スチール部やアルミ部の錆・腐食による強度低下を助長する恐れがあります

・本文中、一部の引用はしていただいて構いません
その際はソースとして当ページの明示をお願いいたします
全文の転載はご遠慮ください

・リンクは当ページ、もしくは最下部記載のブログ投稿へとお願いいたします



2016年(平成28年)4月1日告示の、
ナンバープレート取り付け基準に関する道路運送車両法の改正について

このページで紹介するカスタムでは、
ナンバープレート周りに手を入れています
それに纏わる注意点です

見出しのとおり、'16年4月1日を以って、
ナンバープレートの取り付けに関する新しい基準が告示され、
以前よりもルールが明確化・厳格化しています

要点については、こちらの投稿をご覧ください
Tips・2016年(平成28年)4月1日告示の、
ナンバープレート取り付け基準に関する道路運送車両法の改正についてまとめ
http://trikai.blogspot.jp/2017/09/tips20162841.html

この新基準は125cc以上の排気量を持つバイク、
道路運送車両法上の「自動車(軽自動車、二輪の小型自動車を含む)」に適用されるもので、
125cc未満のバイク、道路運送車両法上の「原動機付自転車」は適用対象外となります
125cc未満のバイクのナンバープレート取り付け基準は、
各市区町村、および当該自治体が属する都道府県の条例によって定められています

しかしながら、今後、道路運送車両法の新基準に合わせて、
各都道府県・市区町村の条例が改正される可能性があり、
また「番号を見やすいように表示する」ことの適法性は重要なため、
トリ飼い日記では、
各自治体条例によって表示基準が明確化されていない場合であっても、
道路運送車両法の新基準に可能な限りならう形でプレートを装着することを推奨し、
またそれを前提として投稿・記事を再構成する方針を採りました


この方針を反映させた当ページ改訂版・Ver.3では、
将来的に予測される原付のナンバーに纏わる条例改正に先んじる形で、
プレート周りのカスタム手法をVer.2.1から全面的に見直しています
ただし、バイクのナンバープレートに対する、
ホルダー・フレーム類の取り付け禁止については、
四輪車の基準との差別化の意図が不明瞭で疑念が拭えないことから、
適法の範囲内で、プレートホルダーを存置したままとしています
この点だけはご注意ください

・・・長々と書いてしまいましたが、要約すると、
2021年4月1日以降に初めて書類登録されたトリシティシリーズのうち、
155は、ナンバー周りのカスタムに大幅な制限がかかるので注意してください
125についても、同様の制限が生じる可能性があります
当ページの改造手段は、これらの制限に配慮し、
改正法の全面施行後でも、ホルダーの取り付け以外は、
同様のカスタムが可能となるよう構成されています
・・・ということです

余談ですが、トリシティの場合、
ページ下部の「注意点・余談など」内でも紹介している、
純正オプションのミニキャリアを装着してしまえば、
ナンバー周りの積載用カスタムに纏わる問題はすべてクリアできます
ついでに使用できる固定用具の種類が増えるというメリットもあります
・・・こらそこ、そっちのほうが断然いいじゃんとか言わないの・・・



必要なもの1
※トリシティ125の場合のみ
155は部品構成の都合で、125と同じ手法が使えません
代替策は見出し「作業1」の末尾に掲示しました

部品・消耗品1
・ヤマハ発動機 純正フランジボルト 部品番号95817-08030 2個
・ヤマハ発動機 純正ナローワッシャ 部品番号92907-08600 2個
・岩田製作所 セットカラー SC0805M
(材質;S45C 無電解ニッケルめっき 内径8mm 幅5mm 外径14mm) 2個
・メーカー不明 六角穴付止めネジ(三価黒処理 M3 長さ3mm) 4個
・メーカー不明 5mm径ビニロン製ロープ 適当な長さ
・ネジロック剤
・ビニールテープ
・適当なM8ナット

トルク管理の正確さを考慮して、
ボルト軸に固定可能なセットカラーを選択していますが、
ネジロック剤の塗布をきちんとおこなえば、
近似仕様のカラーやスペーサーでも特に問題は無いはずです

装着後は雨ざらしになるうえに、
固定コードの力がかかる部位ですので、
ロープは耐候性と引っ張り強度に優れたものを選択してください
今回はビニロン製をチョイスしました

工具1
・1.5mmヘキサゴンレンチ
・12mmソケットレンチ
・任意のソケットレンチ用ハンドル
・16Nmを測定可能な締め付けに適するトルクレンチハンドル

いずれもホームセンターで手に入るものです
特段精度が求められるような部位ではないため、
トルクレンチは5000円前後の安物でも十分です



必要なもの2

部品・消耗品2
タナックス プレートフック MF-4612 1個
・M6アプセットボルト 6mm×25mm スチール製ユニクロめっき 2個
・M6ナット スチール製ユニクロめっき 2個
・M6ボルト対応ワッシャ スチール製ユニクロめっき 6個
・M6ボルト対応スプリングワッシャ スチール製ユニクロめっき 2個

もともとナンバープレートの固定に使っていた部品があれば、
流用していただいてかまいません

アプセットボルトとは、
ヘッド部にプラスドライバー対応の溝が刻んであるボルトです
組み付けの際にドライバーで早回しができるというメリットがありますが、
普通のボルトを選んでも特に問題はありません

M6ワッシャは、外径20mm前後のものを選ぶことをおすすめします
ワッシャおよびスプリングワッシャ無しで組み上げるのは、
ナンバープレート本体と、フェンダー側の取り付け部を痛めてしまうのでやめましょう

プレートフックの取り付け穴幅は、M10ボルト対応の10mm
M6ボルトで組み付ける場合、ぴったりとは嵌りません
実用上の問題はありませんが、ここをきっちりと仕上げたい方は、
内径6mm+、外径10mm-、
厚さがプレートフック以下のカラーを用意してください

工具2
・10mmメガネレンチ
・10mmオープンエンドスパナ



作業1
部品・消耗品1および工具1を使用して、
前部のフックポイントを作り、装着します
ビニロン製ロープで作った輪を取り付けたボルトを、
グラブレール前部の固定ボルトと置き換えます

1.
セットカラーがぴったりとはまるサイズの輪を、ロープの端に作ります
結び方はエイトノット
解れ止め処理として、ビニールテープを端に巻いておきましょう

2.
適当な間隔を取り、フックポイントとなる輪を作ります
要領は1と同じですが、輪のサイズは少し大きめにします
ロープを切り、解れ止め処理をします

3.
1、2と同じものをもうひとつ製作してください

4.
フランジ・カラー間と、止めネジ・ボルト軸間に、
ネジロック材をごく少量塗布し、
フランジボルトにセットカラーを取り付けます
止めネジは事前に、カラー付属のステンレス製のものから、
購入した三価黒処理のものへと交換しておきましょう


5.
ワッシャを挿入します
この際、ネジロック材は塗布しません

6.
適当なM8ナットを一度軽く締め込み、部品全体を馴染ませます

はみ出たネジロック材を拭き取り、硬化まで待ちます
ナットを緩め、取り去ります

7.

ワッシャを取り外し、
カラー部に1、2、3で製作したロープの輪を挿入します
その後、再びワッシャを取り付けます
ネジロック材は塗布しません

8.

2個製作します
(右下は旧版で使用していたアイボルトで、現版では未使用です)

9.
グラブレール前部の固定ボルトを、片側ずつ、
8で完成したロープ付きボルトへと交換します
この際、下の写真のように、ボルト側のロープ結び目が、
必ず車体後ろを向くようにしてください

指定締め付けトルクは、16Nmです

★トリシティ155の場合
グラブレール前側の固定ボルトが、
メットインの樹脂パーツ下に隠れているため、
この手段が使えません

155のグラブレールには、
ワイズギア取り扱いのヤマハ純正オプション、
フックボルトセットの装着が可能となっています

フックポイントがやや後ろ寄りとなってしまいますが、
これを装着することで、近い機能性を得ることができます

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34B型グランドマジェスティ400用と表示されていますが、
同じ部品番号です
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作業2
部品・消耗品2および工具2を使用して、
後部のフックポイントを作ります
ナンバープレート本体とフェンダーの取り付け部の間に、
タナックス製のプレートフックを挟み込みます

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1.

ナンバープレートを取り外します

2.

プレートフックを加えて、ナンバープレートを取り付けます
フックの爪は、前側へと向けることをおすすめします
ナット・ワッシャ類の取り付け方は、奥側から順に以下のとおりです

ナット - スプリングワッシャ - ワッシャ - フェンダーのベース部
- プレートフック - ワッシャ - ナンバープレート(&ホルダー)
- ワッシャ -アプセットボルト

TriKaiの場合、ナンバープレートホルダーを導入しているため、
プレートフック - プレートホルダー間にワッシャをもう1枚追加して、
クリアランスを微調整しています
また、アプセットボルトに、
分離不可能なワッシャ&スプリングワッシャが付属していたため、
そのまま使用しています

3.

完成






使い方

バンジーコードで荷物を固定します
長距離を走る場合、給油時の取り外しを考えると、
取っ手のついたカバン類のほうが便利です



この際、ナンバープレートの文字・数字・自賠責シール、
リアリフレクター、およびテールランプ・ウィンカーの発光を遮らないように、
バンジーコードを取り回してください
ツーリングネットでも同様ですが、
少々難しいので使用をおすすめしません

使用しない場合の前部ロープは、


メットイン内側に折りたためば、
シート下へと隠すことができます



注意点・余談など

・トリシティのリアフェンダーは樹脂製ですので、
コードに強すぎるテンションをかけると破損する恐れがあります
同様に前部ロープ部分やナンバー取り付けボルトなども、
長期の使用で劣化・破損する恐れがあります
バンジーコードの長さは適度に調整するとともに、
各部とも日々の点検を怠らないようにしてください

・ワイズギア取り扱いのヤマハ純正オプション・ミニキャリアを装着すれば、
リア周りの灯火を阻害しないため、確実なツーリングネットの使用が可能になります
荷物の頻繁な積み降ろしに関してはバンジーコードよりも便利でしょう
TriKaiは未導入ですが、一応Amazonへの広告リンクを貼っておきます
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・リアボックスを装着・使用した場合と比較すると、
前後車軸間に荷物を積めるため重積載してもハンドリングへの影響が小さい、
メットインやリアボックスに入らない荷物でも積載できることがある、
などのメリットがあります
デメリットとして、給油時は毎回荷物を降ろす必要があります



※更新履歴
2017年9月16日
一部段落の順序を変更、誤字脱字修正
2017年9月19日
Ver.2.1へ移行
2017年9月21日
Ver.3へ移行
2017年9月15日
一部修正



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